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退職・解雇・懲戒処分
Question

Q:私は期間1年の契約社員として雇用されています。まだ半年しか勤務していませんが,会社を辞めたいと考えています。可能でしょうか。

Answer

A:労働契約に期間の定めがある場合,その期間中は当事者双方を拘束されることを意味しています。ですから,期間中,使用者が労働者を解雇することは原則としてできませんし,労働者が一方的に辞職することもできません。もっとも,例外的に,労働契約を維持できない重大な事由が存在する場合には,ただちに労働契約を解除することができます。なお,辞職する理由によっては,使用者に対して損害賠償責任を負うことも考えられます。
 その他,使用者と労働者で合意が成立すれば,労働契約を解約し,終了させることは可能です。


Question

Q:退職願を上司に提出しましたが,考え直した結果,退職を撤回したいと考えています。可能でしょうか。

Answer

A:退職願は,労働者から労働契約を合意によって解約したいという意思表示(合意解約の申込み)を表した書面であると解釈されることが多いと思います。そのような場合,使用者の承諾があるまでは撤回できると考えられます。ここでいう使用者とは,退職の決裁権限を有する担当者のことをいいます。


Question

Q:上司から退職を強要され,精神的に追い詰められています。度を過ぎているように思うのですが,問題はないのでしょうか。

Answer

A:使用者が労働者に退職を促すことを「退職勧奨」といいます。退職勧奨は,労働者の任意の意思を尊重する手段でなされる必要があります。社会的な相当性を欠くような強制的で執拗な退職勧奨の場合,会社と退職勧奨をした人は労働者に対して損害賠償責任を負います。


Question

Q:上司に強要され,不本意ながら退職届を提出しました。退職するしかないのでしょうか。

Answer

A:会社担当者が労働者を長時間一室におしとどめつつ懲戒解雇をほのめかして退職を強要したと認められる事情があれば,強迫にあたるので,退職の意思表を取り消すことができます。その他にも,使用者が客観的に解雇事由がないことを知りつつ,労働者に解雇事由があるかのように信じ込ませてさせた場合は,詐欺にあたるので,退職の意思表示を取り消すことができます。


Question

Q:特に契約期間を定めずに労働契約を結んでいます。この場合,どうすれば会社を辞職することができますか。

Answer

A:期間の定めのない雇用契約においては,労働者は2週間の予告期間を置けば,理由を要しないで,労働契約を解約することができます(これを「解約告知」といいます。一方的な意思表示で足り,合意による解約とは異なります)。
 なお,労働者からの一方的な解約告知の場合,使用者に伝えた時点で解約告知としての効力を生じてしまいますので,意思表示を撤回することはできません(この点は合意解約の場合とは異なります)。


Question

Q:退職の証明をしてもらいたいのですが,可能ですか。

Answer

A:使用期間,業務の種類,その事業における地位,賃金や退職の事由(解雇の場合,その理由)について証明した書面のことを退職証明書といいます。労働者が証明書を請求した場合,労基法上,使用者は遅滞なく証明書を交付しなければなりません。


Question

Q:会社には定年退職後の再雇用制度があるのですが…。

Answer

A:定年後の再雇用の際には,双方の合意によって,新しく労働契約を締結する必要があります。したがって,使用者は再雇用をする者を選別したり,再雇用を拒否したりすることができます。
 もっとも,就業規則や労働協約で定年退職者に欠格事由のないかぎり再雇用の権利を与えていたり,そうでなくとも慣行として確立されている場合には,定年退職者には再雇用契約を締結する権利が生じます。


Question

Q:解雇が認められる場合とはどのような場合ですか。

Answer

A:まず,解雇が有効とされるためには「合理的理由」が必要となります。類型としては,第1に,労働者が労務の提供をすることができない(傷病やその治療後の障害のため働けないなど),あるいは労働能力や適格性が欠如しているといった場合,第2に,労働者に規律違反がある場合,第3に,経営上の必要性がある場合(合理化による職種の消滅や他職への配転不能,経営不振による人員整理など),第4に,ユニオン・ショップ協定に基づく組合の解雇要求がある場合が挙げられます。第1から第3の事由については,裁判所は解雇できる場合を厳格に制限しています。すなわち,解雇が相当であると判断されるのは,当該事由が重大な程度に達しており,他に解雇を回避する手段がなく,労働者側にとっても解雇されてやむを得ないという事情がある場合にのみ認められるにすぎません。さらに懲戒解雇の場合,通常の解雇よりもさらに厳しい規制を受けます。一般的に服務規律違反は,単に普通解雇を正当化するだけの程度では足りず,「制裁としての労働関係からの排除」を正当化できるほどの程度に達していることが必要です。
次に,手続面ですが,使用者は労働者を解雇しようとする場合においては,少なくとも30日前にその予告をしなければなりません(除外事由もあります)。使用者が30日前に予告しない場合には,30日分以上の平均賃金を支払う義務があります。また労働者が解雇理由の証明書を請求してきた場合には,使用者は遅滞なく交付しなければなりません。
解雇は紛争になりやすいので,弁護士に相談することをお勧めします。


Question

Q:現在,解雇無効を求めて訴訟を検討しています。解雇期間中の賃金は発生するのでしょうか。

Answer

A:合理的な理由なく解雇された労働者が解雇無効の判決を得て職場に復帰する場合,解雇されてから判決を得るまでの賃金は,その間労働契約が存続していたものとして支払われます。裁判が終結するまでの間に,他の職業に就いていた場合には,前職の平均賃金の6割を超える部分については控除されます。


Question

Q:現在,会社では整理解雇を実施せざるを得ない状況にあります。どのような基準を満たす必要がありますか。

Answer

A:整理解雇は,普通解雇や懲戒解雇と異なり,労働者側の責任を理由とする解雇とは異なります。したがって,非常に厳格な基準を満たす必要があります。
 整理解雇が認められるには,いわゆる「4要件」を満たすことが必要とされます。第1に,人員削減の必要性が挙げられます。赤字が続いて人件費の削減を迫られているといった事情がこれに当たりますが,倒産必至という段階に至る必要はありません。第2に,解雇回避努力を尽くしたことが挙げられます。人員削減の必要性があったとしても,直ちに解雇という手段を取ってはいけないということです。まず,中途採用や新卒採用を抑制したり,配転や出向を実施したり,希望退職者を募集したりする必要があります(すべての措置を尽くすことが不可欠というわけではなく,個々の事情に応じた判断がなされています)。第3に,整理解雇がやむを得ない場合でも,人選の合理性(人選基準の合理性と基準の適用における合理性)が要求されます。一例としては,勤務成績や懲戒処分歴などや家族の状況など労働者への打撃の強弱によって判断した場合には,合理性が認められる傾向にあります。第4に,整理解雇が必要となった事情や人選基準について,労働者側に説明し,協議することが必要です。最終的に納得が得られない場合も多いでしょうが,誠実に対応することが必要です。
  整理解雇は紛争になりやすいので,弁護士に相談されることをお勧めします。



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