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賃金
Question

Q:賃金とは何ですか。

Answer

A:賃金,給料,手当,賞与その他の名称のいかんを問わず,労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます。退職金や賞与はそれを支給するか否かが使用者の裁量に委ねられているかぎりは,恩恵的な給付にすぎず,賃金ではありませんが,労働協約,就業規則,労働契約などでそれを支給することやその基準が定められているものは,賃金といえます。


Question

Q:不況の影響で一時帰休扱いとなっています。この場合,給料はもらえないのですか。

Answer

A:労務を提供できない場合に労働者が使用者に対して賃金を請求できるか否かは,労務を提供できない理由が使用者の責任にあるかどうかによって決まります。また労働者としても労務を提供していることが必要です(ただし使用者が労務を受け入れる余地がないとして拒絶の意思を明確にしている場合,労務を提供しなければならないという程度は軽減されます。解雇の場合が典型的です。)。
  一時帰休の場合,労働者が賃金を全額請求できるかは,一時帰休の必要性があったか,労使交渉がきちんと行われていたかなどといった事情を総合的に考慮して判断されます。
  仮に全額請求できない場合であっても,休業手当がもらえる可能性もあります(詳しくはQ5へ)。


Question

Q:会社が一方的に賃金を引き下げると言っています。従業員の同意も得ないで賃金を引き下げることは許されるのでしょうか。

Answer

A:賃金の引下げは,契約内容の変更になるため,原則として,労働者の同意なくして行うことはできません。注意すべき点は,仮に労働者の同意があったとしても,引下げ後の賃金が就業規則の水準を下回るものであれば無効となるということです。
経営上の必要性から労働者の同意なしに賃金を引き下げる必要がある場合,就業規則の賃金に関する規定を変更する必要があります。もっとも,賃金は労働契約のなかでも重要な地位を占めるものですから,賃金引下げの必要性が要求されるほか,労使間での話し合いをきちんと持ったかどうか,賃金引下げの不利益を緩和する措置を取ったかどうかでその可否を判断することになります。また変更した場合,使用者は,就業規則の変更内容を従業員に周知徹底する必要があります。


Question

Q:会社の車で交通事故を起こしてしまいました。会社は,修理費を私の給料と相殺すると言っています。問題はないのでしょうか。

Answer

A:賃金は,その全額を支払わなければなりません。その趣旨は,生活の基盤たる賃金を労働者に確実に受領させることにあります。使用者は,労働者に賃金を全額支払ったうえで,改めて労働者に損害賠償請求をすることになります。なお,労働者が修理費を給料から差し引くことに同意していても,自由な意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的な理由がない場合,相殺は無効となります。


Question

Q:休業手当とは何ですか。

Answer

A:使用者の責に帰すべき事由による休業の場合,使用者は,休業期間中その労働者に,平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません。この手当のことを休業手当といいます。ここでいう「責に帰すべき事由」とは,非常に広く,天災などの不可抗力に該当しないものであれば含まれると考えられています。具体的には,機械の検査や原料の不足などによる操業停止,監督官庁の勧告による操業停止なども含まれます。


Question

Q:私はプログラマーで,出来高制で仕事をしています。先月は不況の影響で収入が大きく低下してしまいました。このような給与体系に問題はないでしょうか。

Answer

A:出来高制とは,労働者の製造した物の量・価格や売上げの額に応じた一定比率で額が定まる賃金制度をいいます。出来高制を取る場合,使用者は通常の実収賃金とあまりへだたらない程度(目安として,平均賃金の100分の60程度)の収入を保障するようにその額を定めなければなりません。保障給が支払われない場合,使用者は,労基法120条で30万円の罰金に処せられますし,支払われていたとしても,基本給が最低賃金を下回る場合は,最低賃金法40条で50万円以下の罰金に処せられます。


Question

Q:賃金の請求権の時効は何年ですか。

Answer

A:労基法上,賃金は起算点から2年間請求しないときは,時効によって消滅するとされています。退職手当については,5年となっています。


Question

Q:会社が倒産しましたが,4か月分の賃金が支払われていません。泣き寝入りしかないのでしょうか。

Answer

A:会社が倒産した場合,賃金がどうなるかは労働者にとっては重要な問題です。
倒産手続にもさまざまなものがありますが,企業を清算して残った財産を分配する清算手続型の代表としては破産法があります。破産法では,破産手続開始前3ヶ月間の給料の請求権は財団債権とされ,配当手続を経るまでもなく,管財人によってそのつど弁済されます。それ以外の賃金債権も,民法上優先権が与えられていますので,配当手続では優先的な扱いを受けます。
また企業の再生を図る再生型の倒産手続の基本法としては民事再生法があります。賃金債権は,民法上優先権を与えられているため,手続開始決定後でも,それ以前と同様に随時支払いを受けることができます。
他方大企業などに適用される会社更生法のもとでは,手続開始前6ヶ月の賃金債権は共益債権として,更生管財人によってそのつど弁済され,それ以外は優先更生債権となります。
また,事業主が破産の宣告を受けた場合等には,国が事業主に代わって一定の範囲の賃金について立て替え払いをする制度もあります。詳しくは事業所を所轄する労働基準監督署にご相談ください。



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