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弁護士コラム Column

「離婚と年金分割」

2006年10月10日
弁護士 上野 精

「離婚と年金分割」
先日自治体の法律相談に出かけたときのひとこま。
相談者「先生、聞くところによると離婚すると夫の貰う年金の半分が妻のものとなるということですが、本当にそうなるのでしょうか。」
弁護士「平成19年(2007年)4月以降の離婚については、厚生年金が分割されるように厚生年金法が改正されました。それ以前に離婚ということであれば、年金分割を求める権利は認められません。」・・・・・
このところ、年金分割について尋ねられることが時々ある。ひょっとするとこの人も離婚予備軍?と感ずるときもあれば、単に知識として知りたいからというときもある。
皆さん共通の誤解は、当然に夫の年金の二分の一が離婚の時から貰えるということであろうか。
正確に言えば、分割の対象は、結婚期間中に納めた保険料に対応する厚生年金。最大で夫婦合算の厚生年金の半額(共働きの場合)。専業主婦の場合は、結婚していた期間に夫が納めた保険料に対応する夫の厚生年金の半額ということになる(基礎年金は固有の権利として各人が受給する。)。支給開始時は、離婚時ではなく妻が将来年金を受給するときからであり、支給は終生続く。そして、分割割合は、当事者間の話し合いで決まったときは、その旨社会保険事務所へ届け出ればよいが、決まらないときは家庭裁判所の調停といった手続きを経て分割割合が確定する。
見落としがちなのは、結婚(再婚)相手がもしも再婚の場合、将来貰える厚生年金も、前妻との婚姻期間分だけ少なくなるということである。
時代とともに、結婚観も多様化し、「月下氷人」「偕老同穴の契り」といった語が死語になった時代とはいえ、巷間伝えられように「将来共済年金を貰える公務員の人は、年金額が多いから人気があるのよ」というのが本当とすると、何ともわびしい限りではある。
勿論、結婚しどの様な家庭、家族を創り上げて行くのかは、当事者のまさに「自己責任」の領域の問題ではあるけれども。

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