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弁護士コラム Column

口コミの削除依頼について弁護士が解説

2023年02月16日
東京自由が丘事務所  弁護士 松山 光樹

はじめに

インターネットの普及により、お店や観光地の情報を手軽に得られることができるようになっています。特に最近では、口コミやレビューを投稿できるサイト等も増え、行ってみたいお店について口コミを見てから決める、ネット上の評価の高い店から行くところを決める、という人も増えてきているのではないでしょうか。

​​もっとも、口コミやレビューは、誰でも気軽に投稿できる反面、事実と異なることや単なる誹謗中傷でも投稿はできてしまうため、書かれる側からすると困ってしまうこともあるかと思います。

​​今回は、投稿された側の立場から、口コミ・レビューの削除に関してお話させていただければと思います。

​​なお、困った口コミ・レビューに対する対応としては、発信者を特定した上で損害賠償請求をするという方法も考えられますが、今回は、削除に絞ってお伝えいたします。

口コミ・レビューを削除するための手段

口コミやレビュー削除をするためには、​⑴誰を相手として、​⑵どのように削除を求めるのか、の視点で考えるのが分かりやすいかと思います。

誰を相手とするのか

口コミやレビューは、ウェブサイト上に書かれるものです。それぞれのウェブサイトは、それぞれ運営者・管理者がいるので、基本的には、これらのサイト運営者・管理者に対して削除請求を行うべきと考えられます。 

​​サイト運営者・管理者は直接書き込みをしていないので、その人がなぜ削除をしなくてはならないのかと思うかもしれません。

​​サイト運営者・管理者は、サイトに掲載している情報について削除・修正をする権限があり、逆にいえば、サイト運営者・管理者以外が削除・修正することができないということもままあります(書き込んだ人自身も削除できないサイトもあります。)。

​​削除を求める側は、違法な口コミ・レビューがそのまま残っているのが嫌なので削除したいと思うところですが、違法な口コミ・レビューが掲載された状態にしているのはサイト運営者・管理者なので、この状態をやめてほしいということで、サイト運営者・管理者に請求します。

​​もちろん、ケースによっては、書き込んだ人や、検索サイトの運営者に対して請求を行うこともありますが、基本的には、サイト運営者・管理者に対して行うと考えた方がよいでしょう。

どのように口コミの削除を依頼するのか

削除を求める方法は、下記の方法が考えられます。

問い合わせフォームやメールを用いたもの

問い合わせフォームを設置されているウェブサイトがある場合には、このフォームを利用する方法が考えられます。ウェブサイトによっては、削除依頼をするため専用フォームを用意しているものもあります。

​​また、ウェブサイトに問い合わせ用のメールアドレスがある場合には、そこ宛にメールをして削除依頼をすることも考えられます。

所定の書式を用いたもの

少し専門的な話になりますが、一般社団法人テレコムサービス協会が設置している「プロパイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」というところが、ガイドラインを作成しており、削除依頼の書式も用意しています(「テレサ書式」と呼ばれています。)。

​​この書式に従って、削除請求をすることも考えられます。請求を受けた側は、基本的には書き込みをした人への意見照会もした上で、削除をするかどうか決めることになります。

法的手続

上記の方法によっても削除されなかった場合には、裁判所の手続を用いることになります。

削除されやすい口コミ・されにくい口コミ

口コミ・レビューを消したいと思っても、常に思い通り消してもらえるわけではありません。

​​口コミ・レビューの中には、対象となっているお店に批判的なものもありますが、そういった情報であっても、お店の実情をきちんと表したものであるのであれば、お店を選ぶ人の役に立っているという面もあり、批判的なものだから一概に削除すべきということにはなりません。

​​法的な整理をすると、削除を求められるのは、口コミやレビューによって、その人(店)の権利が侵害されている場合に限られます。批判的な口コミ・レビューであっても、これにより権利が侵害されていない場合には、削除を簡単にはしてもらえません。

口コミ・レビューはさまざまなタイプがあるので、一概にこのような口コミであれば削除される、されないと決めることは難しいです。

​​もっとも、例えば、下記のような場合には、比較的削除が認められやすいといえるでしょう。

削除が認められやすい口コミ・レビュー例

・ありもしないことを書いて誹謗中傷したケース。 ​
​・犯罪や反社会的勢力との関係を記載したケース。
​ ・プライバシーや個人情報に関する事柄を記載したケース。​


​反対に、下記のような場合には、比較的認められにくいといえるでしょう。​

削除が認められにくい口コミ・レビュー例

・単なる個人の感想や意見を述べているに過ぎないケース。
​・口コミ・レビューの対象を明らかにしておらず、記載を見ても特定が難しいケース。

口コミの削除を弁護士へ依頼するメリット

弁護士に相談・依頼すると、主に、下記のメリットがあるといえます。

・そもそも削除が認められやすいケースなのかどうかの判断をしてもらえる(もちろん、微妙なケースもありますが。)。
​・削除のためにどのようなやり方をとるべきか相談できる。  
​・手続について任せることができる。ご自身で上記の削除請求をやっていくことはなかなか大変な部分もあるかと思います。

特に、1点目の、削除が認められやすいケースなのかどうかの相談は、重要なところかと思います。

​​削除される可能性があるのであれば依頼してみるという判断もできますし、仮に、不快な口コミ・レビューだが削除は難しいという場合にも、そのことが分かることによって、別の対策(よりよい口コミ・レビューを書いてもらうようサービスの質を上げる等)に切り替えるきっかけにすることができます。

終わりに

口コミ・レビューの削除は、かなりケースバイケースな分野ですが、そうであるからこそ、お悩みを抱えた方は、一度ご相談・ご依頼いただくのがよいかと思います。

​​当事務所は、初回相談を無料としておりますので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。​​

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