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弁護士コラム Column

企業間取引と相手方調査

2011年10月17日
名古屋新瑞橋事務所所長弁護士 森田 祥玄

私たちは顧問契約を締結して頂いている会社の方から、「取引先がちゃんとした企業か否か、フロント企業(暴力団傘下の企業)か否かを調べたい」という相談を受けることがあります。
しかし、実際に暴力団関係の企業か否かを調べるのは難しく、小さな事実の積み重ねで取引をするか否かを検討することになります。
暴対法施行後は、暴力団の名刺を提示するなどのわかりやすい行動をとらなくなったため、一層情報獲得が難しくなっています。
警察の情報が最も信頼できますが、実際に事件になっていることが必要となります。
例えば「ビルを貸したところ組事務所に使用されているため、明け渡しを求めたい」というような場合は、情報提供をしてくれやすいかと思います。
他方、通常の商取引で、特段疑わしい事情があるわけでもない場合、警察は回答をしてくれない傾向にあります。
愛知県には「暴力追放愛知県民会議」という組織もあります。
但し、警察ほどの情報量はなく、個人的には、問い合わせても「該当なし」との返事を頂くことが多いように感じます。
(県民会議に該当がなく、警察に問い合わせたら該当したことがありますので、私個人としてはそのように感じるのですが、大切な頼りになる組織であることには間違いないです)。
例えば、探偵に調査を依頼することも考えられますが、探偵業は届出制なため、信用度もまちまちです。
王道ですが、商業登記簿を取得するという方法もあります。
名古屋丸の内駅あるいは市役所駅からすぐの法務局に行けば、誰でもその登記事項証明書を取得することができます。
株式会社だけでなく、社団法人、学校法人、宗教法人等各種法人の登記簿を取得できます。
商況登記簿の役員欄には個人名が出てきます。
例えばインターネットでその名前を検索するだけで、過去の犯罪記事などが出てくることもあります。
但し、過去に犯罪歴がある暴力団員が登記簿に直接名前を出さない場合もあります。
その場合、一般人の名前を借りることになります。
なので、実際の社長格の人物が登記簿上の代表取締役でない場合、注意が必要と言えます。
あと、「以前作って放置していた休眠会社をフロント企業に利用する」というパターンも多いかと思います。
ある時点で役員総入れ替えが行われていた場合など、不自然だと感じたら、注意が必要です。
また、不動産登記簿を取得する必要もあります。
法人の所在地、役員の住所などです。
所在地・所有者などが書かれており、過去の所有者に不自然な者がいないかをチェックできます。
また、差し押さえがなされていなかをチェックすることができます。
抵当権、地上権、賃借権などもチェックできます。
聞いたことのない金融会社や個人から多額の貸し付けを受けていた場合は、少し注意をした方がよいかもしれません。
あとは、自動車登録事項等証明書を取得する方法もあります。
相手が使用している自動車や、事務所に出入りしている自動車があれば、自動車のナンバーを控えるようにするとよいかと思います。
そのほかとしては、派手、高級、仰々しい、人相、有名人や政治家との結びつきを強調、などの諸事情で、怪しいか否かを判断することになります。
あと、現金決済を不自然に要求する会社も、少し気をつけた方がいいかもしれません。
以上の点を、総合考慮することになりますが、暴力団の傘下企業か否かを事前に調査するのは、実際のところ、限界があります。
そういうときには、契約書に暴力団排除条項を入れるなど、被害を最小限に食い止める工夫が必要となります。
暴力団排除条項は、フロント企業に対する心理的圧迫も大きく、且つ、法的にも意味のある条項となります。
契約書作成についても、遠慮なく弁護士にご相談下さい。

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