強気で交渉してください 春日井の弁護士より
2015年に弁護士登録をしてから間もなく9年となります。
9年近く弁護士をしていると、次のようなお言葉を頂戴することがしばしばあります。
「強気で交渉してください」というお言葉です。
このようなお言葉は、「強気」でさえあればご自身にとって交渉を有利に進められるはずだ、とのお考えがもとになっていると思われますが、私はそうではないと考えています。
そもそも、「強気」とは何でしょうか。 「強気」とは、「気が強いこと。積極的な態度に出ること。また、そのさま。」を意味するようです。
弁護士がご依頼いただく交渉は、法的な紛争に関するものであり、このような交渉をご自身にとって有利に進められるかは、法的な見通し、言い換えれば、その紛争が法的手続に持ち込まれたときに、法令、判例、証拠関係その他の事情を踏まえて裁判所がどのように判断すると見込まれるか、に左右されます。
法的な見通しが必ずしも明るくない場合には、単に、「気が強い」あるいは「積極的な態度」であるからといって、ご自身にとって交渉を有利に進められるわけではないのです。
私は、弁護士に法的な紛争に関する交渉をご依頼いただく利点は、その知識や経験をもとに法的な見通しを適切に分析し、その分析を踏まえて交渉をできる限り有利に進められる点にあると考えています。