会社経営者の事情に配慮した遺言を作成した事例
ご相談内容
Xさんはオーナー社長として会社を経営しており,会社の全株式を保有しています。Xさんの方針では,長男に後継者になってもらおうと思っているのですが,株価が高いため,莫大な相続税がかかります。
また,次男がXさんの方針に賛同するかどうかも不明で,遺留分減殺請求により株式が散逸してしまうおそれもあるとして,相談にいらっしゃいました。
解決事例
遺留分の問題については,弁護士が次男と交渉し,遺留分を放棄してもらうよう合意をして,家庭裁判所で手続を行いました。
その上で,公正証書遺言を作成し,長男が全ての株式を相続できるようにしました。
さらに,相続税の問題については,相続税に関する事業承継税制を利用し,保有株式の一定部分につき,課税価格の80%に対応する相続税の納税猶予の手続を進めました。
ポイント
遺留分については,事前に放棄をすることができます。ただ,遺留分の放棄は家庭裁判所の許可が必要ですので,これを弁護士から相手方に説明し,放棄をしてもらいました。
被相続人が個人事業主だったり,会社の経営者だったりした場合,株価の増加により,相続税の価額が想像以上の高額になることが少なくありません。
相続税については,いろいろな控除の制度や特例があります。これらを踏まえた遺言を作成したり,生前贈与を活用したりすることで,税の負担を軽くすることができた事例です。
当事務所では,税理士が在籍しており,遺言作成の際に,税的問題についてアドバイスを受けながら作成することができます。また,当事務所では,司法書士,社会保険労務士といった他士業の専門家が多数名在籍しており,相続の際の法的諸問題を,ワンストップで対応させていただきます。