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弁護士コラム
Column

通勤途中の事故

2021年04月01日
名古屋丸の内本部事務所  社労士 小木曽 裕子

通勤途中に転倒や事故に遭う等し負傷した場合、通常、通勤災害として労災保険の使用が可能です。
しかし、通勤の途中には、食事をしたり、コンビニやスーパー等で買い物をしたりと、寄り道をすることも多いと思います。
このような場合に労災保険が使用できるのでしょうか。
労災保険法では、通勤について以下のとおり定義しています。

労災保険法第7条

② 前項第三号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

 一 住居と就業の場所との間の往復
 二 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
 三 第一号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動
   (厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

③ 労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第一項第三号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

上記のとおり定義されておりますので、通勤を逸脱・中断した場合には、原則として、その逸脱・中断中はもちろん、その後通勤経路に戻っても、もはや労災保険の使用はできないことになりますが、この逸脱・中断が日常生活上必要な行為として認められている一定の場合には、その後通勤ルートに戻った後の負傷は労災使用が可能となります。

この「逸脱・中断」や「日常生活上必要な行為」については、通達(昭和48年11月22日基発644)において例示されており、下記のようなことが示されています。

「逸脱・中断」に該当するケース
 ・麻雀を行う
 ・映画館に入る
 ・バー等で飲酒
 ・デートのため長時間に亘ってベンチで話し込む

「逸脱・中断」に該当しないケース
 ・経路上に店でタバコ、雑誌等を購入
 ・経路上に店で、渇きをいやすため、ごく短時間お茶やビール等を飲む

「日常生活上必要な一定の行為」
 ・独身者が食堂に立ち寄る
 ・クリーニング店に立ち寄る

以上のとおり、通勤から外れた行為を行った場合でも、一定の場合には労災保険の適用が可能となりますので、要件に該当する場合には、労災保険の使用をご検討下さい。