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弁護士コラム Column

別居中の不貞行為で慰謝料請求はできる?

2023年03月31日
名古屋丸の内本部事務所 

別居中の不貞行為で慰謝料請求ができる場合・できない場合

別居中に配偶者が不貞行為をした場合に、配偶者や不貞相手に対して慰謝料請求ができるか否かは、別居に至った理由等により左右されます。 そもそも、配偶者が不貞行為をした場合に慰謝料請求が認められるのは、不貞行為が「婚姻共同生活の平和の維持という権利ないし法的保護に値する利益を侵害する」からであるとされています。

​​そのため、既に、婚姻関係が破綻しているような場合には、「婚姻共同生活の平和の維持という権利ないし法的保護に値する利益」が存在しないということになりますので、慰謝料請求は認められません。

​​そのため、別居に至った理由等が、婚姻関係の破綻を裏付けるものであるか否かで、請求の認否は左右されることになります。

​​具体的には、別居の理由が単に仕事上の都合による単身赴任であったり、夫婦のライフスタイルの違いから別居をしているに過ぎない状況で、夫婦関係を続けているような場合には、婚姻関係が破綻しているわけではありませんので、慰謝料請求が可能となります。

他方で、法的に離婚が成立していない場合であっても、お互い離婚に向けて話し合いをするために別居を開始しているような場合には、別居により婚姻関係が破綻していると認定される可能性があり、慰謝料請求が困難となります。

同居時の生活状況や別居期間なども婚姻関係破断の判断要素とされるため、別居を開始したという事実のみで直ちに婚姻関係の破綻が認定されるとは限りませんが、離婚を前提とするやりとりがなされた結果、別居に至った後に配偶者が不貞行為をした場合には、慰謝料請求が困難になる可能性が高いといえます。

不貞行為の証拠となるもの

不貞行為とは、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいますので、慰謝料請求をするためには、配偶者と第三者との間に性的関係があったことを証明する必要があります。

具体的には、配偶者がホテルから不貞相手と一緒に出てきた際の動画・写真があるような場合には有力な証拠となります。探偵事務所を利用して、そのような証拠を取得される方も多いところです。

また、そのような証拠がない場合であっても、メールやLINE等で2人でホテルや旅行に行くなど性的関係を持ったことをうかがわせるようなやりとりがあるような場合も、証拠となります。最近では、LINEのメッセージをスクリーンショットしたものを証拠として提出する機会も多くなっています。

他方で、第三者と一緒に食事をしているだけの動画・写真や、親しい関係にあることがうかがわれるものの性的関係を持ったとまではいえない内容のメールやLINE等だけでは、不貞行為を裏付ける証拠とはならず、慰謝料請求は認められません。

慰謝料請求を離婚しないで請求するには

不貞行為に基づく慰謝料請求は、離婚をしなくても請求することが可能です。

もっとも、慰謝料の金額は、精神的苦痛の程度によって変わりますので、不貞行為が原因で離婚に至った場合と、離婚には至らなかった場合とでは、前者の方が精神的苦痛の程度が大きかったと捉えられます。そのため、配偶者の不貞行為があっても、離婚に至らなかった場合には、離婚に至った場合と比較すると慰謝料の額が低くなる傾向にあります。

また、離婚をしないで配偶者に慰謝料請求する場合には、配偶者から慰謝料を支払ってもらったとしても、結局は家計の中で金銭が移動するだけになりますので、不貞相手に対してのみ請求をする場合が多いところです。

この場合、不貞相手が、配偶者が婚姻していることを知らなかった場合や婚姻関係が既に破綻していると信じる相当な理由がある場合には、故意・過失が否定され、慰謝料請求が認められません。

​​そのため、後述のとおり、不貞相手が、配偶者が婚姻関係にあることを知っていたことを裏付ける証拠を取得しておくことも重要となります。

別居中の不貞行為で慰謝料を請求する場合の注意点

前述のとおり、婚姻関係が破綻している場合には、慰謝料請求は認められませんので、配偶者や不貞相手からは、婚姻関係が破綻していたと反論されることがあります。

そのため、そのような反論に備えて、不貞行為を裏付ける証拠だけでなく、婚姻関係が破綻していなかったことを裏付ける証拠も準備しておく必要があります。例えば、別居中であっても、配偶者と良好な関係にあることがわかるようなメールやLINE等、一緒に外出したり、お互いの居宅を行き来して会っていることがわかるような写真等が考えられます。

また、 不貞相手からは、配偶者が婚姻していることは知らなかったと反論される可能性があります。真実、不貞相手が、配偶者が婚姻していることを知らなかった場合には、不貞相手に故意・過失がありませんので、慰謝料を請求することができません。そのため、不貞相手が、配偶者の婚姻の事実を把握していることがわかるような配偶者と不貞相手のメールやLINE等の証拠も押さえておくことが必要となります。

慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

慰謝料請求については、不貞行為の回数、期間、時期、不貞行為が原因で離婚に至ったか、不貞行為により受けた精神的苦痛の程度、子の有無、婚姻期間、別居期間等様々な事情により金額が左右されます。

​​ 弁護士に依頼することにより、そもそも慰謝料請求が可能な事案であるか否か、また過去の裁判例等を基に、相手方から支払ってもらう慰謝料が妥当な金額かどうかを判断することができます。

​​ 加えて、弁護士に依頼することで、配偶者や不貞相手と直接交渉をすることの精神的負担も軽減することが可能かと思います。

​​不貞行為の慰謝料請求を検討される際には、まずは弁護士に相談されることをお勧めいたします。

愛知総合法律事務所では、不貞慰謝料など離婚に関するご相談を初回無料で承っております。詳しくはこちら。

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