起訴か不起訴か判断基準となるポイント

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弁護士コラム Column

起訴か不起訴か~検察官の判断とは~

2022年04月27日
大阪心斎橋事務所  弁護士 鈴木 嘉津哉

1.はじめに

もし、あなたが、何かの事件を起こしてしまったり、交通事故で相手方にけがを負わせてしまったとしたら、その後、逮捕されてしまったり、逮捕はされないまでも、いわゆる書類送検といった手続が取られる可能性があります。そのようなときは、最終的に、検察官が、事件を起こした人(「被疑者」といいます。)について、起訴するか、あるいは不起訴にするかといった処分を決定します。

​​ 万が一、自分が被疑者になってしまったら、起訴されるのか、不起訴になるのかというのは、とても気になると思いますが、検察官が、どのようなことを考えて起訴か不起訴かの判断をしているのかというのは、通常は分かりません。

​​ そこで、今回は、元検察官である弁護士の鈴木が、検察官がどのような点を考慮して、起訴か不起訴かを判断しているかということについて、少しだけ触れようと思います。

2.証拠がなければ起訴できない


​検察官が、まず、一番気にしているのは、無実の人を間違えて起訴することだけは絶対にしたくない、ということです。このことから、検察官は、警察と一緒になって様々な捜査を行い、その被疑者が、犯罪を行った犯人であるという証拠を集めます。捜査を行った結果、証拠が集まらなければその被疑者を起訴することはできません。

3.証拠があっても起訴しないことのほうが実は多い


​皆様は、ニュースなどで、日本の有罪率は99.9%などといったことを聞いたことがあるかもしれません。このような話を聞き、もしかすると、なんとなく事件を起こしたらみんな起訴されるのではないか、そして、有罪になってしまうのではないかなどとイメージされている方もいるかもしれません。

​​しかし、実は、日本で起きている事件全体を見ると、その半数以上が、不起訴処分となっています。

​​これは、証拠がなくて不起訴になったという事件も当然あるのですが、その多くは「起訴猶予」といって、様々な事情(「情状」といいます。)から、その人を許し、不起訴処分にするというものです。

4.起訴猶予にするか不起訴にするかの判断基準


​事件を起訴猶予にするかどうかというのは、事件によって様々であり、決められた基準というのはないのですが、多くの検察官が気にしているのは

​① 事件の悪質性(例えば、1発殴る暴行と10発殴る暴行では、後者の方が悪質)
​② 被害結果の重大性(例えば、窃盗などの財産犯では、その被害金額の多さ
​③ 被害者がいる事件の場合、被害者の処罰感情
​④ 被害弁償がなされていたり、示談がされていたりしているかどうか
​⑤ 被疑者が本当に事件を起こしているのだとすれば、自白し、反省しているか否か
​⑥ 再犯に及ぶ危険性がないか
​⑦ 前科前歴があるか、あるとすればどれくらいあるのか

​などといったことです。このような要素を総合的に判断して、起訴するか不起訴にするのかを決めています。

5.弁護士として協力できること


​もし、あなたが、被疑者となってしまったり、あなたのご家族が被疑者になってしまったりしたとき、何をすればいいのかすぐには分からないことも多いかと思います。

​​そのようなときは、最終的な処分の行く末を見通し、どのような手段を講ずればいいのか分かっている(示談の要否やその額、被害者との交渉、身柄拘束からの解放、処分の見通しの説明など)弁護士にご相談いただいた方が、最良の結果が得られる可能性が高くなります。

​​幸い、弊所には、刑事弁護の経験が豊富な弁護士が多数在籍しており、元検察官も在籍しております。もし、何かお困りのことがございましたら、弁護士法人愛知総合法律事務所まで遠慮なくご相談にいらっしゃってください。​

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