自首に弁護士が同行するメリットを解説します

ご相談窓口

052-212-5275

受付時間 【平日・土日】9:30〜17:30

アクセスマップ

アクセスマップアクセスマップ
ご相談はこちら無料相談はこちら
弁護士コラム Column

自首に弁護士が同行するメリットを解説します

2023年10月06日
岐阜大垣事務所  弁護士 加藤 純介

自首とは?(出頭とは何が違う?)

はじめに,自首と出頭の定義について説明させて頂きます。​

自首とは,犯罪を犯した者が、事件が発覚していない又は事件は発覚しているが犯人が特定されていない段階で自発的に捜査機関に名乗り出てその処分を求める行為(※学説に踏み込めば別の見解もあり得るところではありますが,ここでは一般的な定義を採用します)をいいます。

他方,出頭とは,捜査機関(警察、検察等)・裁判所・役所などに自ら出向くこと,をいいます。

ひとまず定義を確認頂いただけでも,自首の方が厳しい,認められづらい,というニュアンスは感じ取って頂けたかと思います。

出頭は単に自ら出向けばこれにあたるものの,自首が認められるためにはもう少し細かな条件を満たす必要がある,ということになります。

では,自首が認められるためにはどのような条件を満たす必要があるのでしょうか。

以下に,もう少し詳しく見ていければと思います。

自首すべきタイミングとは?

上記の定義の中に,「事件が発覚していない又は事件は発覚しているが犯人が特定されていない段階で」という文言が含まれています。 これが,自首すべきタイミング(自首が認められる条件)となります。

​​ 他方で,出頭の定義にはこのようなタイミングに関する内容がありません。 これが,自首と出頭を分ける条件の1つとなるわけです。

定義をもう少し細かく見てみましょう。 「事件が発覚していない」「又は」「事件は発覚しているが犯人が特定されていない」とあります。

すなわち, 事件が発覚していない段階で,自分が事件を犯し,その犯人だ,ということを捜査機関等に告げることが,自首が成立するための条件となります。

また,「事件は発覚しているが犯人が特定されていない」段階でも自首の条件を満たすことになります。

​​例えば,被害者の自宅に侵入して金品を盗んでしまった,という方が自首を検討しているとします。

​​この場合,被害者が警察に通報し,何者かが自宅に侵入し金品を盗んだことは警察も把握したものの,誰がやったのか分からない,という段階で警察に自らが犯人であると名乗り出れば,自首のタイミングに関する条件は満たすこととなります。

ただし,「犯人が特定されていない」ことが必要であることに注意が必要です。

​​ 何らかの上記の例で言えば,目撃者の目撃証言から自宅に侵入し金品を盗んだのが誰であるか(仮に「A」とします)警察は既に把握しており,Aの居場所のみが分からず探している,という段階では,自首は成立しないことになります。

自首にあたり準備は必要?(証拠の他に持っていくものがあるか等)

自首は上記のとおり,自分が犯罪行為を行ったことが警察に知られる前に行わなければいけません。 居場所が分からないだけ,という段階まで捜査が進めば自首の条件を満たさなくなるためです。

その意味では,自首を検討している場合には早期に行うことが肝要です。

特段の準備をする必要はありません。

​​ただ,現実に犯罪行為を行い,これに対して自首をすれば,身柄拘束を受ける可能性が高いです。外部との連絡が(スムーズには)取れなくなる可能性も高くなるため,勤務先や家族等親しい方には予め自首する旨を伝えるなどの準備は必要かもしれません。

ただし,繰り返しですが上述のとおり自首が認められるためには,自首して初めて犯罪行為を行った者であること(自首の段階ではまだ被疑者で刑事裁判を経て初めて有罪が確定しますが,かえってややこしくなるため厳密な言葉遣いは避けます)が判明する必要があります。

誰かに打ち明けた際に,自首に先行して警察への通報等が行われれば自首の条件を満たさなくなる可能性があるため,この点には十分に配慮する必要があるでしょう。

なお,必ずしも証拠物等を持参する必要はありません。

ただし,自首と出頭を分けるもう1点重要なポイントとして,出頭ないし自首した後に,自白するかどうか,ということがあります。

出頭は必ずしも自らの罪を認める必要はありませんが,自首が成立するためには,自分が罪を犯したと認める必要があります。

例えば,実際に犯罪をやったか否かにかかわらず,自分がこのままでは警察に疑われかねない,という状況で警察に名乗り出たうえで自分は犯罪をしていません,と説明したとしましょう。

​​この場合でも,「出頭」にはあたります。

他方で,「自首」にはあたりません。

自首はあくまで,自分が罪を犯したことを認めて自白する必要があります。

自首するとどうなるか、流れについて

自首した場合には,嫌疑のかかる犯罪行為の性質や法定刑,実際の犯罪態様,自首した方の逃亡の恐れの有無,証拠の有無等によって,身柄拘束されることもあれば,任意で取り調べが行われるに留まる可能性があります。

刑事手続自体が自首したかどうかによって変わるわけではありません。

基本的には,現行犯逮捕等と同様の刑事訴訟法等法律に従って処理されることとなります。

​​ ただ,例えば身柄拘束の要件として,逃亡の恐れや罪証隠滅の恐れ(証拠隠滅などのことです)があること,というのがあります。

自首するぐらいなので,逃亡の恐れや罪証隠滅の恐れがない,という主張が通りやすくなり,自首することでかえって身柄が拘束されることを防ぐことができるようになる可能性もあります。

自首に弁護士が同行した場合は?

例えば,突然最寄りの警察署に赴いて自首する,ということもそれ自体は可能ですし,要件を満たす限りは自首として認められることになります。

​​ただ,弁護士に事前にご相談頂き調整を図ることで,自首として認められる態勢を整えることができます。

また,身柄拘束を受ける可能性について弁護士であれば事前にご説明させて頂くことも可能ですし,身柄拘束を回避する方法,身柄拘束を一時的に受けたとしても長期間化させない方法を予め考え,スムーズに対応することも可能となります。

自首することのメリットは?

刑法第42条1項では「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と定められています。

​​あくまで「できる」であり,必ず自首が成立したからといって,裁判所は刑を減軽する必要があるわけではなく,実際の量刑判断は裁量に委ねられることとなります。

ただ,自首というのは通常真摯な反省の態度の表われであると見られますので,自首したこと自体が後の刑事裁判での量刑判断にあたって少なくとも不利に働くことは特異な事情が無い限りはないでしょう(自首しなければ犯罪が発覚せず,または犯人であると特定されず,そもそも刑事裁判対象となることも無かった,というパターンは除いての話とはなります)。

いかがでしたでしょうか?

​​自首が成立するにはそれなりのハードルがあり,自首だと自分で思っていても,実は出頭にしか当たらない,ということもあります。

​​また,自首したとしても状況次第では身柄拘束を受け,取り調べが始まることもあり得ます。 事前に弁護士にご相談頂き,見通しを整理し段取りを整えることには大きなメリットがあります。

​​ まずは弁護士法人愛知総合法律事務所までご連絡ください。

  • はてなブック
  • LINE
  • Pocket

この記事の著者

関連記事